Eur J Endocrinol May 1, 2012 166 765-778
MECHANISMS IN ENDOCRINOLOGY: Vitamin D and fertility: a systematic review
Elisabeth Lerchbaum, et al. 【原著Abstract】【背景】ビタミンDはカルシウムとリンのホメオスタシスを保ち骨のミネラル化を推進する機能で良く知られている。古典的なヒト生殖の規制因子である性ステロイドホルモンに加え、ビタミンDも女性と男性において生殖プロセスを修飾するというエビデンスがある。
【目的】本レビューの目的は、女性と男性および動物におけるビタミンDと妊孕の関係を調査した研究を評価することである。
【方法】われわれはPubmedで2011年10月までに発表された関連する英語論文を体系的に文献検索した。
【結果および考察】ビタミンDレセプター(VDR)とビタミンD代謝酵素が女性でも男性でも生殖組織に見出された。VDRノックアウトマウスは、著しい性腺機能不全、精子数と運動能の減少、睾丸・卵巣・子宮の解剖学的異常を示した。
さらにわれわれは、ビタミンDがIVFアウトカム(臨床的妊娠率)と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を含む女性の生殖に関与しているというエビデンスを提示する。PCOS女性では低25ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)レベルは肥満、代謝・内分泌障害と関連し、ヴィタミンD補充はそのような女性において月経頻度と代謝障害を改善するかもしれない。さらに、ビタミンDは健康な女性において性ホルモン(エストラジオールとプロゲステロン)のステロイド産生に影響を与え高25(OH)Dは子宮内膜症と関連があるかもしれない。
男性では、ビタミンDは精液の質および男性ホルモン状況と正の相関がある。さらに、ビタミンD治療はテストステロンレベルを上昇させるかもしれない。睾丸疾患の男性はCYP21R発現が低く、25(OH)Dレベルが低く、テストステロンレベルが正常でも骨粗鬆症を示す。
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