.14.2011
Viral screening at the time of each donation in ART patients: is it justified?
Hum. Reprod. (Published online: August 23, 2011)
C. Hughes, et al. 【原著Abstract】【背景】 ヨーロッパにおける生殖補助医療(ART)を受けるカップルに対するウィルス検査の頻度については現在議論されているところであり、EUの立法により課せられた時間枠を支持する科学的なデータは限られている。本研究の目的は、このポピュレーションにおける血液媒介ウィルス(BBV)の発現率を見定め、最初のネガティブ検査の後のセロコンバージョンの可能性を評価し、カップルの経費節約の可能性を検討することである。
【方法】 われわれはARTの3次紹介機関である当院を受診した患者でBBVスクリーンを行ったすべての症例を特定した。われわれはこのポピュレーションにおけるB型肝炎表面(HBs)抗原、C型肝炎抗体、HIV感染の発現率と、EU立法の施行後の追跡スクリーニング(B型肝炎核(HBc)抗体を含む)におけるセロコンバージョンの発現率を計算した。すべての特定できた症例において、われわれは最初のスクリーニングでネガティブで、その後にセロコンバージョンするリスクを評価すべく追求した。
【結果】 1998年から2009年の間に12,500例以上の患者が合計79,291回のテストを行った。このポピュレーションにおけるHBs抗原の発現は0.28%(37/12,797)、HBc抗体は3.32%(96/2891)、HC抗体は0.33%(43/12,762)、HIVは0.007%(1/12,819)だった。この3つのウィルスについて検査し、再検査もした6500以上の例において、われわれはセロコンバージョンが1件もなかったことを示すことができた。
【結論】 ART治療を受けた同居するカップルにおいて、最初のスクリーニングがネガティブでその後にセロコンバージョンするリスクが無視できるという上述の検査結果に基づけば、生殖補助医療において細胞採取のつどカップルにスクリーニングを要求するという現在のEU立法は、臨床的に正当化できない。
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